のしの由来
贈り物のマナー一覧へ戻る紙を折った折のし
印刷した印刷のし
のしはのし鮑の略。
鮑を伸ばして用いたことからのし鮑と称されました。
四方を海に囲まれた日本では、昔から海の幸に恵まれ、特に鮑は重要な食物で、神事のお供え物として用いられてきました。鮑を平たく伸ばした後、かつらむきに長く切りのばし、むしろの上で天日干しにしたのし鮑は、栄養価が高く長持ちすることから、中世には武家の出陣や帰陣の祝儀に用いられ、戦場の貴重な保存食ともなりました。
江戸時代には長生き長持ちの印と重宝がられ、祝事や慶事の儀式に高価な贈答品として用いられるようになり、時代の移り変わりと共にのし鮑を和紙に包んだ形を「のし」と称し贈答品に添える風習が根付きました。
贈答品が生物(鮮魚・精肉・鰹節など)の場合と、弔事全般、病気見舞い、災害見舞いなどには、のしは付けないことになっています。